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DEUX ANGES 
FRANCE
1800年代中期


幅 16.5×21㎝
厚み 約3.5㎝

彫刻
幅 7.5×11.5㎝
厚み 約3㎝
SOLD


2人の天使の額装オブジェ。

キリストの心臓のモチーフであるサクレクールのメダイと"JE VOUS SALUE MARIE"(私はマリア様を祝福する)と書かれたリボンを持つ2人の天使像は、羽やうねる髪の毛、衣壁など細部まで細かく彫刻されております。

大変美しいお顔の天使たちは、一方は目を閉じて物憂げな表情で祈っているかのように、もう一方は天を見上げてと、対照的なポーズをしております。

素材はメシャム(海泡石)または石膏かと思われますが判然といたしません。

このタイプの作品の名のある作家サルヴァトーレ・マルキの名がサイドに彫刻され、その左側には署名もされています。

彫刻自体はオリジナルのドーム型のガラス板のフレームに保護されていたため損傷は全くなく大変良好です。

フレームの一部にあたり傷が2箇所あり、塗装が剥がれております。
また、虫食いの穴も数箇所ございます。

裏蓋は紙が接着されて封されておりましたが、損傷が激しかったため取り除き、固定する金具(トンボ)を取り付けております。(これにより彫刻を取り外す事が可能です)
また、壁掛け用の管を取り付けております。


PIVS XI POIT MAX 
FRANCE
代中期

幅 27.5×32.5㎝
厚み 約2.8㎝
SOLD


ピウス11世を讃えるワックス製メダイの紙テープ飾り額装オブジェ。

1922~1939に在位したローマ教皇ピウス11世の名を冠した、AGNUS DEI(神の子羊)モチーフのワックス製のメダイを、ロール状にした紙テープによる細工(PAPERLOLLE 仏パプロール)で美しく飾られております。
ワックスの土台は茶色に近い濃い赤のベルベットになりますが、撮影の環境では黒に写っております。

メダイ部には旗を抱えた座った羊とその下に判然としない部分もございますが、
PIVS・XI・PONT MAX
???・IVBILEI
MCMXXV(1925年)
と書かれております。

また、4隅のパプロールの飾りの中心には4人の聖人に関する遺物が付いており、判然としない部分もございますが、
左上/S.Theregiae.V
左下/B.Ann? a S Bar.V  
右上/S.Joannisa C???C.C
右下/S.Teresiae a J.?.V 
の4人の聖人の遺物(布や木片のようなものが見て取れますので、着衣などと思われます。)が飾られておりますひし形の土台に貼り付けられております。

金彩が施されたフレームは木の土台に石膏で型取った花形のモールドが施されております。

このタイプの額装のものとしては比較的新しい(と言っても100年近く経過しておりますが)ため、パプロールや遺物の剥離やワックス部の変形等はほとんどなく、大変美しく良い状態です。

フレームの4隅の角に小さな欠け、フレームの正面右下に経年による変色が見られますが、全体的にはパーフェクトコンディションとなります。。


AGNDS DEI 
FRANCE
1800年代中期

直径 縦29.5㎝  横23㎝
厚み 約5㎝

SOLD


幼子イエスと洗礼者ヨハネのフレーム入り彫刻。

幼子イエスと洗礼者ヨハネと共に子羊が木の下に佇む様子の彫刻が、ナポレオン3世スタイルのオリジナルのガラスドーム付き楕円フレーム内に納められております。

腕の確かな技術者として知られる"MATTEI"による彫刻となり、見事なバランス/細部まで手の込んだ繊細な仕上がり/緊張感の中にも柔らかな肌の質感が調和した素晴らしい作品です。

イエスの右手は天を指し、左手には受難の象徴である茨の冠を抱き、荒野をさまようヨハネは毛皮を纏いクロスの杖を携えております。
また、そのそばに寄り添う羊のやや虚ろな眼差しは、祈りを捧げるヨハネに向けられているかのようです。

土台の中央に神の子羊の意となる"AGNDS DIE"、その右側上部に作家MATTEIの名が刻まれております。

買い付け時に裏面の封が剥がれていたため、外れないように金具で止めておりますが、自由に開閉できます。

彫刻が固定されている土台には濃い青のベルベットの生地が貼られておりますが、後年に補修されたものでオリジナルではないかもしれません。

オリジナルの壁掛けの金具が付属しております。

彫刻本体は経年によりうっすらと日焼けのように変色している箇所がございますが、欠けやヒビは見受けられず、製作当時のほぼ完璧な状態となります。


Christ et Marie 
FRANCE
1864年

それぞれ
直径 約22.5㎝
厚み 約3.8㎝

SOLD


キリストとマリアの円型フレーム入り彫刻。

キリストとマリアが子供たちと戯れる様子の彫刻が、ナポレオン3世スタイルのオリジナルのガラスドーム付き円形フレームに納められております。

腕の確かな技術者の手作業の彫刻となり、巧みな群像の見事なバランス/キリストとマリアの穏やかな表情/子供たちのふくよかなボディの表現が素晴らしい作品です。

主題となっているのは弟子たちを子供のように愛しなさいという聖書の物語から着想を得ているのではないかと思いますが、博愛や母性などを感じ、宗教的作品でありながらも教訓めいたものではなく、あたたかさと安らぎを感じさせる点で、飾っていただきやすいもではないかと思います。

それぞれの作品の底部に作者の署名(正確に読み取れません)と制作された1864の年号が記されており、キリストの方は右側面に刻印も見られます。

それぞれにオリジナルの壁掛け用のリングが付属しております。

買い付け時に裏面の封が剥がれていたため、隙間から本体に埃が侵入するのを防ぐため、合皮のシールを貼り付けております。

マリアの方の上部の彫刻の木の先端がガラス面に接触しており(画像赤い矢印部)、その部分が少し潰れておりますが、さほど目立ちません。



Mains blanches 
FRANCE
1800年代

長さ 15㎝
幅  5.5㎝

SOLD


木製の人形の手。

バランスの良い丸みを帯びた柔らかな雰囲気の人形の手は、表面の塗装がほとんど剥げ落ち素地が見え、親指の腹の一部が欠けておりますが存在感がございます。

腕の切断面の中央に針金が仕込んでありますので、上腕部や胴体と接合されていたと思われます。

買い付け時に聖人像の手の部分と聞いており、確かな証拠はございませんが、伝わってくる雰囲気や作りからそうである可能性が高いと推測します。

ギリギリ自立しますが、不安定なため台を作るか、寝かして飾る事をお勧めいたします。



Immaculate Conception 
FRANCE
1800年代中期〜後期

高さ 22㎝
幅  6㎝×10㎝

¥88.000


聖母マリアが、原罪の汚れととがを存在のはじめから一切受けていなかったとする、カトリック教会における教義を表す彫像。


青い衣と天使達、悪の化身とされる蛇を踏みつけるポーズなど特徴的な要素で構成されております。


木彫にペイントが施され、全て手作業による丁寧な作りであることが見て取れ、マリア様や天使達の遠くを見つめるような眼差しややや虚ろな感じの表情など、静かでありながらも存在感のある作品です。


マリア様と天使達は全てガラス製の目が入っていることにも注目に値します。
目は口ほどにと申しますが、表情の中でも最も重要な部分に手をかけていることに作品としての価値の高さが伺えます。


経年の変化により塗装が全体的に剥がれ落ち、亀裂が入っている部分もございますが、ベースの出来が良いことで決して貧相になっておらず、かえって神々しくも感じます。


他、取り外しが可能な台座(きっちりはまっておりますが、力を入れれば抜けます)の足の一箇所に欠損がございます。
また、マリア様の頭頂部に小さな窪みがございますので、制作当初は冠などが付いていた可能性がございます。

※塗装が剥がれやすくなっているため、梱包には細心の注意を払いますが、配送の際に若干剥離する可能性がございますのでご了承いただければ幸いです。

購入数量



Reliquaire Louise de Marillac
FRANCE
1800年代中期〜後期

幅  8㎝
厚み 約1.5㎝

¥39.960


実在した聖女ルイーズ・ド・マリヤック(1591~1660)にまつわる遺物を納めたReliquire(ルリケール/聖遺物箱)と呼ばれる作品。


真鍮のフルール・ド・リス(百合の紋章)をモチーフにしたフレームに、石粒と名前が書かれた紙、装飾のパーツが入っております。


ルイーズ・ド・マリヤックは貧民救済の為に生涯を捧げ、修道会の設立に大きく貢献した聖人として知られております。


こちらもリングが付属しておますので、壁にかけたりして飾ることができます。


裏蓋には製作した教会の封蝋が施され、オフィシャルのものであることが証明されております。


一部緑青がでている箇所もございますが、全体の雰囲気を損ねるほどではなく、内部のパーツの欠損や剥離等もない素晴らしいコンディションの作品です。



Croix de l'ange
縦  13.5㎝ ※リング含む
横  11.5㎝
厚み 約1.5㎝

SOLD


アールヌーヴォー期のデザインされたカーネーションが組み合わされたクロス型にエンジェルとパンジーが組み合わされております。

カーネーションはキリストが十字架に架けられた時、母親の聖母マリアの涙によってカーネーションが生まれたというエピソードがあり、またパンジーはキリストを磔(はりつけ)にした十字架の影がスミレの花に伸びたことから、聖母マリアの祭壇にスミレの花輪が飾られるそうで、これらに由来してデザインされたのではないかと思います。

リングが付属しておりますので、リボンなどを通して飾ることができます。

ところどころに緑青がでておりますが、全体の雰囲気を損ねるほどではございません。



Main de priere
FRANCE
1600年代後期~1700年代

全体 幅14㎝×24㎝

SOLD


マリア様の木彫像の手の部分。


全体的にかなり枯れた感じなっておりますが、肌の色や手首の衣の部分に赤や金彩のお色が若干残っています。


大きさからすると全体像は100㎝以上はあったと思いますので、それなりに大きな像だったかと思います。


全体に擦れはあるものの、指の欠損などはなく、ほっそりとしたとても形の良い上品な形から美しい全体像が想像されるような気がします。




LA VIERGE A LA CHAISE

FRANCE
1800年代中期〜後期


直径 32×40㎝ 枠
直径 25×32㎝ 本体(約)


SOLD



FONTANA作による聖母子と幼児洗礼者聖ヨハネのオーヴァル額装オブジェ。




ナポレオン三世様式の楕円の木製枠に、石膏に浮き彫りレリーフで作られております。




これまでご紹介してきた中でも最大級のサイズとなります。




椅子に座る聖母マリア様に抱きかかえられる幼児イエスと寄り添う幼児聖ヨハネのこちらの構図は、ルネサンス期の画家、ラファエロ・サンティによる小椅子の聖母を模っております。




圧倒的な迫力のある大きさは勿論の事、マリア様/イエス様/聖ヨハネのそれぞれの表情や髪の毛、指先の細かなディテール、マリア様が纏うショール及び椅子のフリンジに至るまで、数多くの作品を手がけたFONTANAの傑出した技量が余すところなく表現されております。




オリジナルの木製の額に目視で小さな虫食いの穴はございますが、ドーム状のグラスと共に当時に状態をほぼキープしております。




また、裏側はオリジナルの紙貼りの上から更に後年に(それでもかなり古い時代)貼り直されており、こちらの紙は簡単に外す事ができ、枠に固定されている本体を取り出せば、ガラスの内側や彫刻本体に長い時の間に侵入した埃を除去する事も可能ですが、あえて買い付け時の状態のままでご紹介させていただきます。




Reliquaire Marguerite Marie Alacoque 
FRANCE
1800年代中期〜後期


直径 13×15.5㎝ 


SOLD



フランスのカトリック教会の幻視者であり聖人'Marguerite Marie Alacoque'(マルグリット・マリー・アラコク/聖マルガリタ・マリア・アラコク)の聖遺物が収められたReliquaire(ルリケール)。




1673年12月27日に聖堂で祈りを捧げる彼女の前にイエスが現れ、心臓を見せてこれを崇拝するようにとの掲示を受けたことにより、フランス各地に聖心崇拝(サクレクール)が広まるきっかけとなりました。




修道院にて作られたもので、当時の装飾技法であるPaperoles(パプロール)と呼ばれるリボン状の紙を、羊歯の葉のように巻いたりなどして花や葉、スカラップなどの表現しております。




下部の赤い布の上の2つの菱形の紙に置かれているのはMarguerite Marie Alacoqueが生前に身につけていたものや触れたことのあるもの、埋葬された場所の土など、関連のあるものとなり、金の縁取りが施されたリボンにM.M.Alacoqueの名が記されています。




Paperolesによる装飾は、中心の左に麦、右に花(葉の形状からすると荊か薊かもしれません)とキリストの肉体と血を表していると思われ、中央の聖遺物が貼り付けられている部分は蜂を、そしてその上部の光を放っているようにも見える部分は蜘蛛である可能性があり、共にキリスト教の中では重要な昆虫のモチーフとなります。




麦と花そして昆虫と全体が自然のモチーフで構成されて、ポイントとしてあしらわれている3箇所のガラスビーズにより更に自然的な雰囲気を強めています。




素材が紙であるため、経年の変化により歪みなどが生じておりますが、メイン部分はシルクの土台からの崩落や欠損はなく、ほぼ製作当時のままの状態で残されているのはこのタイプのものでは少なく、大変よい状態と言えます。
※内側右上の縁飾りの一部に欠損がございますが、正面からは見えにくい部分となります。




裏の封入が一度剥がされ(または劣化で貼りなおしたか)補修されておりますが、オリジナルの蝋の封印跡なども残されており、大切に保管されてきたことが伺えます。




壁面に飾るための丸菅はオリジナルが付属し、問題なく機能いたします。




Reliquaire de Marie noir
FRANCE
1800年代中期

幅 約4.8×6㎝
厚み 約2.5㎝


SOLD



黒いマリア様の額装オブジェ。




フランフ各地に残る黒いマリア様にちなんだ聖品となります。




素材はメシャムまたは石膏かと思われますが定かではございません。




本体は型取りではなく手彫りでの彫刻作品となります。




真鍮製の枠に本体とガラス蓋が固定されており、中を掃除する為だったのか一度枠をこじ開けた跡が枠の周囲に残されております。




雲に乗ったマリア様の両手には花束と冠が携えられており、お顔は彫刻が施された跡に黒く着色されております。




上記のフレーム枠に開いた跡及びガラスに擦り傷等ございますが、総じて状態が良く主題ともにレアな一品です。








Mercure du Christ A
FRANCE
1800年代中期〜後期


高さ 24㎝
幅 約9㎝


SOLD



MERCURE(水銀)メッキのガラスのキリスト像。




銀製品を模して、ガラスに水銀をメッキした燭台や聖人像などの一連のシリーズのうちのキリスト像になります。




内側に施された水銀のメッキは当時の鏡にも用いられた手法で、経年の劣化により曇りや剥離があるため、独特の鈍い輝きに変化ししております。




当然として内側が空洞になっておりますが、厚めのガラスで作られたボディは重量感があり、古いガラスにみられる微細な気泡や歪みが更に存在感を引き立てております。




製作当時は服以外の部分に彩色が施されていたようですが、経年の変化により剥がれており地肌が露出しております。




キリストが胸に掲げる燃え盛る心臓のモチーフ(サクレクール)は復活を意味し、時を経たMERCUREと共に今もなお輝いております。




※製作時にできた微細な傷がございますが、欠けやヒビはございません。



Mercure du Christ B
FRANCE
1800年代中期〜後期

高さ 24㎝
幅 約9㎝

SOLD


MERCURE(水銀)メッキのガラスのキリスト像。


銀製品を模して、ガラスに水銀をメッキした燭台や聖人像などの一連のシリーズのうちのキリスト像になります。


内側に施された水銀のメッキは当時の鏡にも用いられた手法で、経年の劣化により曇りや剥離があるため、独特の鈍い輝きに変化ししております。


当然として内側が空洞になっておりますが、厚めのガラスで作られたボディは重量感があり、古いガラスにみられる微細な気泡や歪みが更に存在感を引き立てております。


製作当時は服以外の部分に彩色が施されていたようですが、経年の変化により剥がれており地肌が露出しております。
※Aと比べると若干色彩が残っております。


キリストが胸に掲げる燃え盛る心臓のモチーフ(サクレクール)は復活を意味し、時を経たMERCUREと共に今もなお輝いております。


※製作時にできた微細な傷がございますが、欠けやヒビはございません。



Purple PAROISSIEN 
FRANCE
1855年

幅 8.5×12㎝
厚み 3.5㎝

SOLD

紫色のベルベットと金属パーツにより装飾された祈祷書。

祈祷書は聖書とは違い、公的あるいは私的に信者が行うものとして教会が認可した祈祷文を収録したものをいいます。

表紙の四隅を飾るブドウと麦の穂はキリストの血を表すワインと肉体を表すパンを意味しております。
また中央には花の冠と、元の所有者のD・Cのイニシャルが銀製のパーツで施されております。

留め金も銀(メッキと思われます)で出来ており、そこにはDeniseと刻まれております。

表紙のベルベット部や背表紙とのつなぎ目にスレや破れが見られますが、取れてしまいそうなほどではなく、本体にしっかりとついております。

全812ページの中には3枚のモノクロの銅版画とカラーの版画が1枚入っております。

虫食いを防ぐ為の三方金も綺麗に残されており、中身は良いコンディションです。



Ivoire du Christ 
1900年代初期 
FRANCE

幅 9.5×10.5㎝
高さ 19.5㎝

¥29,700

象牙製のキリスト像。

キリスト本体と上部に掲げられたプレートは象牙製で、小ぶりながらも丁寧な作りとなります。

ポーズはディテールはポピュラーなタイプですが、顔立ちが穏やかなので痛々しい印象は少なく感じます。

象牙特有の柔らかな質感も、全体的に雰囲気を和らげているかもしれません。

特筆すべきは本体の十字架と土台のディテールで、ゴルゴダの丘に貼り付けとなったキリストの様子を再現しているかのようです。

土台は石を積み上げたような感じに仕上げられ、クロスの中心から光背が出ているデザインとなります。

素朴な雰囲気のクロスが、象牙のキリストを変に高級じみた感じにならないように程よく中和させながらも、全体的にまとまっています。

※全体的に良好な保存状態ですが、キリストの左手の親指が欠けております。

購入数量



Panneau de la broderie

FRANCE
1700年代後期〜1800年代初期

幅 上7.7㎝ 下56㎝
高さ 39.5㎝

SOLD

赤いシルク地にインドの伝統工芸であるザリ刺繍が施された変形型の装飾パネルは、元は教会の祭壇を飾る幕などに使われていたのではないかと推測され、モチーフに合わせて特注のフレームに額装されたようです。

インド古来の伝統工芸であるザリ刺繍は、金糸や銀糸をコイル状にしてその中に糸を通して刺繍をする技法で、17世紀にマハラジャたちの宮廷衣装や室内装飾など重用され発展しました。

手作業で立体的に仕上げていくザリ刺繍は気が遠くなるほどの時間と労力がかけられた事は言うまでもありません。

こちらの作品は当時、インドに発注して作らせたものか、あるいはインドの職人を呼んで作らせたものかはわかりませんが、シンメトリーに配置された花籠のモチーフの一つ一つが丁寧に作られており、びっしりと埋め尽くされている様は工芸品の枠を超えて美術品レベルの域に達しております。

経年の変化により元は金や銀色に輝いていたと思われるモチーフは酸化しておりますが、鮮やかな色合いのシルクと相まってシックな趣です。

※所々に糸の欠落はほつれ、枠の最下部に空白がございます。
※裏板は新品に張り替えてあります。



Sant'Antonio di Padova 
ITALY
1700年代作

高さ 20㎝
幅  10㎝
奥行 6㎝

¥165,000

木彫の聖アントニオ像。

フランスにて買い付けましたが、イタリアのものであろうと推測されます。

幼子イエスを抱き、聖書を携えた姿でわずかに上方を見つめる眼差しは、小ぶりでありながらも強いオーラを持っています。

聖人像にはマリア様やキリストとは違った身近な存在を感じますが、それはその多くが実在した人物で、はっきりと記録に残されている点にあるからなのかもしれません。

木彫に漆喰のようなものでコーティングしたあとに着色されており、丁寧な作りであることが伺えます。

衣壁の奥にわずかな金彩が残されておりますので、制作された当時は手に持った本の赤共々、シックでありながらも鮮やかな色彩に彩られていたことでしょう。

剥げ落ちた顔料のせいもあってか、聖アントニオのお顔は右と左とでは印象が違って見えるように感じますが、全体的には慈愛に満ち、落ち着きと安らぎを感じさせる雰囲気が大変気に入っております。

また、個人的にはブラジル出身の私には、祖国の守護聖人でもある(聖アントニオはポルトガル出身だからか)という点も、強い縁を感じてしまいます。

※聖アントニオ、幼子イエスの右手はそれぞれ失われております。
※わずかに前方に傾きますが自立いたします。

購入数量



Enfant Jèsus et Jean-Baptiste 
FRANCE 
1850年頃

幅  34×40㎝
厚み  約6㎝

※本体幅 23×30㎝

SOLD

手彫り彫刻による幼子イエスと洗礼者ヨハネ像。

ナポレオンⅢ世スタイルのオーバル型のフレームに収められた、本体の直径が最大30㎝(フレームを入れると40㎝)と迫力のボリュームに、ノーブルな顔立ちの幼子達と二人の天使が、美しく絶妙なバランスで仕上げられております。

荒野のヨルダン川にて洗礼を施していたというヨハネはラ、クダの皮衣を身に纏い十字架を掲げるという伝統的な姿で表現され、洗礼の為の水をいれるピシェを手にしております。

ヨハネが道の先を歩いていることから、イエスを先導してこれから洗礼を施すというシーンではないかと推測され、上空では二人の天使がそれを見守っているという構図となります。

ヨハネの足元にはイエスを表す神の小羊の姿が、そしてイエスの左手側の道端には悔い改めを象徴する切り株が見えます。

本体の右側端に、この彫刻の作者である"J FONTANA"のサインが刻まれております。

これほどまでのボリュームと、本体に目視で確認できるダメージが全くない完璧な状態のものであり、且つドーム型の当時のオリジナルのガラスも残っているというのは、なかなかお目にかかることの出来ないレアなアイテムと言えます。

※フレームに虫食いによる穴が所々にございます。



BENITE AUX REPARATION AGRAFES
FRANCE 
1800年代初期~中期

幅  9.5×19.5㎝
厚み 7㎝

SOLD

フランス中部のNEVERS(ヌヴェール)で焼かれたと思われる陶器製の聖水盤。

手書きで描かれたキリスト様は、デフォルメされた全体像や表情はどこかコミカルな印象です。

磔刑像はそのほとんどが苦痛に歪む顔や生々しい描写が多いなかで、ほっとする優しい雰囲気が漂っています。

この描かれたキリスト様の特異さもさることながら、もう一つ特出すべき特徴が丁寧に補修されたカップ部にございます。

膠(にかわ)と鎹(かすがい)を用いたこの修理法は日本では馬蝗絆(ばこうはん)と呼ばれ、その名は東京国立博物館に所蔵されているこの修理法を用いた中国南宋時代の青磁茶碗に由来します。
普通は割れていたり、修理跡があるものは一般的には嫌厭されがちですが、古い時代のこの手の込んだ修理跡(法)は見方によってはアートととも捉えられるほどの力があるように思います。

見た目を重視して内側に鎹を打ち込んでいる点も複雑で時間がかかった事でしょう、修理した職人の丁寧な仕事が伺えます。

※補修されていますが、カップ部に水を入れると少しずつ漏れてきます。






JE CROIS EN DIEU 
FRANCE 
1800年代中期

フレーム
幅  19.5×24.5㎝
厚み 約3㎝

彫刻
幅 7.5㎝×10㎝

SOLD

寄り添う2人の天使像。

穏やかな表情の2人の天使が、JE CROIS EN DIEU(私は神を信じる)と書かれたリボンを携えております。

向かって右側の天使は右手にクロスを持ち高く掲げ、左側の天使は胸元に茨の冠を抱いております。

指の先程の小さなお顔は、それぞれしっかりと彫刻され、かすかに開いた口元は語りかける様なリアルさです
拡がる羽根の一つ一つやうねる髪の毛、流れる衣壁のディテールも見事で、卓越した技術者の確かな腕による手彫りの作品となります。

彫像はベルベット敷の木製の板に固定されており、ナポレオンⅢ世スタイルのガラスドームとオーバルフレームに納められており、オリジナルの壁掛けの金具が付属致します。

※向かって左側の天使の羽の下部に凹んだような傷がございますが、製作当時のものとなります。
また、右側の天使の足の指先に小さな欠けがございます。

※フレームの上部に虫喰いの穴が数カ所、及び周囲にあたり傷がございます。

※裏側の紙貼りは経年の劣化により剥がれている箇所がございますが、フレームと本体は釘で固定されております。



Ange d'objets
BERGIUM 
1800年代初期


縦   22.8㎝
横   14.5㎝
奥行き 24㎝
重量  2.1㎏


SOLD

天使の木彫オブジェ。




教会の壁面を飾っていた木彫の天使は、2つの羽が胸元で交差し、愛らしさの中にも大人びた美しい表情をしております。




厳しい表情のものや、ヨーロッパ特有のクラシックな顔立ちの天使はよく見かけますが、穏やかで洗練されたこちらの天使は、見ていると心が安らぐ優しがございます。




均整のとれた目鼻立ちや柔らかくうねる髪の毛、羽のディテールの一枚一枚も丁寧に表現されたそれは、卓越した彫刻家によるものであることは想像に難くありません。




改修の為か、または2つの大きな大戦により安住の地を失われたのかは定かではありませんが、本来あった場所から取り外された後は、壁付けのコンソールとして使われていたようで、後部に壁に掛けるための金具が取り付けられております。




1つの木から作られたものではなく、複数の木をつなぎ合わせており、経年の変化により継ぎ目に僅かなズレが生じておりますが、丁寧に作られているため殆ど分からない状態です。




鼻のトップや髪の毛の一部、側面の装飾に一部あたり傷や欠けがございますが、全体としての保存状態は申し分ないほど素晴らしく、壁面の装飾のメインアイテムとして存在感のある一品です。



Tirelire de moutons
FRANCE 
1800年代後期〜1900年代初期


台座直径 7×12.5㎝
高さ 8.5㎝


¥19,440 

羊の陶器製貯金箱。




キリスト教の世界では、小羊のモチーフはAgnus Die(神の小羊)といわれ、人間の罪に対する償いとして、イエスが生贄の役割を果たします。




台座の上に座っているポーズから、キリスト教に関係のある物のようですが、威圧的な雰囲気や仰々しさはなく、全体的に優しい雰囲気は、あまり宗教的な匂いを感じません。




背中の部分にコインを入れる口がありますが、取り出す部分はございません。




焼成時にできた亀裂などがございますが、使用感は無く、大変良い保存状態です。

購入数量



Sant'Antonio di Padova
FRANCE 
1700年代

横幅  約4.5㎝
奥行き 約2.5㎝
高さ 12㎝

SOLD

カトリック教会の聖人Sant'Antonio di Padovaの木像。

ポルトガルのリスボンで貴族の子として生まれた(1195~1231)パドヴァのアントニオは、カトリック教会に入会後民衆の支持を集め、生前より大変慕われていたそうです。

多くの聖人の中でも、彼を描いた画家は多く、エル・グレコ/ティツィアーノ・ヴェチェッリオ等の作品が知られている他、終焉の地となったイタリアのパドヴァには、80年の歳月をかけて作られた、亡骸を葬った聖堂であるサンタントーニオ・ド・パードヴァ聖堂が建てられており、信仰の対象として、人気のある聖人でもあります。

厳しい戒律で知られるカトリックの修道僧が日常着として着用する三角形の頭巾の付いた衣装に、聖フランシスコ・ザヴィエルでおなじみの、トンスーラと呼ばれる頭頂部を剃り落とした髪型をしております。

フランスで買い付けしましたが、信仰の厚いポルトガルやイタリアで作られたものかもしれません。

やや荒削りな印象の作りで、卓越した職人のものではなく、市井の民の手によるものと推測されます。

フランスではこれらを民衆芸術=アールポピュレー(ART POPULAIRE)と呼び、高く評価されているジャンルのひとつでもあります。

余談ではございますが、パドヴァのアントニオを守護聖人として祀る国にブラジルがあり、個人的にも縁を感じて買い付けてまいりました。
(私はブラジル生まれの日経2世です)

※右手部に穴が開いており、当初は腕がついていたものと思われますが、現在は失われております。
また、足元に欠けがございますが、問題なく直立いたします。



JE CROIS EN DIEU
FRANCE 
1800年代中期

フレーム
幅  20.5×25.5㎝
厚み 約3㎝

彫刻
幅 7.5㎝×10㎝

SOLD

寄り添う2人の天使像。

穏やかな表情の2人の天使が、JE CROIS EN DIEU(私は神を信じる)というリボンを携えております。

向かって右側の天使は右手にクロスを持ち高く掲げ、左側の天使は胸元に茨の冠を抱いております。

指の先程の小さなお顔は、それぞれしっかりと彫刻され、かすかに空いた口元は語りかける様なリアルさです。

拡がる羽根の一つ一つやうねる髪の毛、流れる衣壁のディテールも見事で、卓越した技術者の確かな腕による手彫りの作品となります。

彫像はベルベット敷の木製の板に固定されており、ナポレオンⅢ世スタイルのガラスドームとオーバルフレームに納められております。

オリジナルのフレームと当時の空気までも閉じ込めたガラスドームに守られ、欠けやヒビなどの破損は一切ないパーフェクトな状態です。
※右の天使の羽根の下部に小さなシミの様なものがみられますが、正面からは隠れて見えません。

これほどまでに素晴らしい状態で残っている物は稀で、希少性の高い一品でございます。




JE CROIS EN DIEU
FRANCE 
1800年代中期

フレーム 
直径 19.5×25.5㎝
厚み 約5㎝

彫刻
約 9×13㎝

SOLD

寄り添う2人の天使の像。

海泡石または石膏製と思われますが、詳細は不明です。

寄り添いあうシャープな顔立ちの天使の手元には"JE CROIS EN DIEU"(私は神を信じる)と書かれたリボンが置かれ、向かって右側の天使の手にはクロスが抱かれております。

大きな羽根が全体を包み込むように配され、体の向きや交差された脚もまた対照的な位置に納まっているため、全体的内シンメトリーなバランスの良い構図となっております。

それぞれの異なる髪型や衣装、流れる様な衣壁、羽根の一枚一枚まで丁寧に表現されたそれは、卓越した職人の手による手彫りの技ならではの素晴らしい出来映えです。

彫像はベルベット敷の木製の板に固定されており、ナポレオンⅢ世スタイルのガラスドームとオーバルフレームに納められております。

※彫像へのダメージは見当たりませんが、経年による変色などがございます。(お写真でご確認下さい)
※フレームの木部に無数の木食い虫による小さな穴がございます。(プライスにて考量いたしております。)




Immaculata Conceptio Beatae Virginis Mariae
FRANCE 
1853年


フレーム 直径 21×29㎝ 
     厚み 5㎝


彫刻   幅  7×13.5㎝
     厚み 3㎝


SOLD



海泡石製のマリア様の壁掛けオブジェ。


ナポレオンⅢ世スタイルのオーバルフレームに納められた、Immaculée Conception=無原罪の御宿り(むげんざいのおんやどり)を表す聖母マリアの彫像となります。


Immaculée Conceptionとは、聖母マリアが、神の恵みの特別なはからいによって、原罪の汚れととがを存在のはじめから一切受けていなかったとするもので、1954年にはカトリック教会における教義として信仰箇条に宣言決定されました。


こちらの彫刻には、足元の半球の側面にNORESTと1853と記されており、信仰箇条として宣言される前年に作成されたものと思われます。


immaculée Conceptionは、ベラスケスやエル グレコらもテーマに描いており、信仰の対象として人気のあったモチーフのようです。


マリア様の額から鼻筋に欠けてのラインが一直線に作られている事から、ナポレオン3世時代の特徴であるネオクラシックの流れからの、古代ギリシャやローマの彫像のような雰囲気に仕上げられております。


マリア様の穏やかな表情や流れる様な優美な衣壁は見事で、胸元のマントをとめるアクセサリーや腰紐の細かなディテールも手を抜いておりません。
また、足元の悪の化身とされるヘビを封じるディテールもお見逃し無く。




※マリア様の両手の親指が欠損しておりますが、目立たない程度になります。
※マリア様の右目の上にあたり傷のような2本の線がございますが、目立ちません。
※彫刻下部の半球の正面にあたり傷がございます。
※フレームに小さなあたり傷や擦り傷等がございます。
※壁に掛ける為のリングが失われておりましたので、補修致しました。


上記のような細かなダメージはございますが、雰囲気を損ねる程の物はなく、総じてとてもよい状態と言えます。




Vase de Porcelaine de Paris A
FRANCE 
1800年代中期

横    16㎝
縦    13.5㎝
奥行き  9.5㎝

¥33.000 


1773年創業のフランスを代表する、Porcelaine de Paris製のナポレオン3世様式の磁器製花瓶。

グローブドマリエと呼ばれる、結婚式で使われた花輪等を飾るガラスドーム内の装飾にも、似たタイプの花瓶が使われておりますが、こちらは教会に飾られていたもののようで、ラテン語で救いの人イエスという意であるIesus Hominum Salvatorの略称IHSの美しいモノグラムが丁寧なハンドペイントで施されています。

磁器特有の硬質で洗練された器胎に、流れるラインのリーフや立体的な下部のメダイの意匠が卓越した技術を要する事物語っております。

柔らかな陶器とは対照的なキリッとした緊張感のある雰囲気をお楽しみ下さい。

大降りの芍薬などを大胆に生けていただいたり、オールドローズを無造作に投げ入れて頂いても様になる事でしょう。

※正面右上の飛び出しているモチーフの裏側に微細な削げがございますが、正面からは全くめだちません。
※数カ所、焼成時に出来た気泡や班がございますが、雰囲気を損ねる程ではございません。

購入数量




Vase de Porcelaine de Paris B
FRANCE 
1800年代中期

横    16㎝
縦    13.5㎝
奥行き  9.5㎝

¥33.000


1773年創業のフランスを代表する、Porcelaine de Paris製のナポレオン3世様式の磁器製花瓶。

グローブドマリエと呼ばれる、結婚式で使われた花輪等を飾るガラスドーム内の装飾にも、似たタイプの花瓶が使われておりますが、こちらは教会に飾られていたもののようで、ラテン語で救いの人イエスという意であるIesus Hominum Salvatorの略称IHSの美しいモノグラムが丁寧なハンドペイントで施されています。

磁器特有の硬質で洗練された器胎に、流れるラインのリーフや立体的な下部のメダイの意匠が卓越した技術を要する事物語っております。

柔らかな陶器とは対照的なキリッとした緊張感のある雰囲気をお楽しみ下さい。

大降りの芍薬などを大胆に生けていただいたり、オールドローズを無造作に投げ入れて頂いても様になる事でしょう。

※正面右上の飛び出しているモチーフの裏側に微細な削げがございますが、正面からは全くめだちません。
※数カ所、焼成時に出来た気泡や班がございますが、雰囲気を損ねる程ではございません。

購入数量




Reliquaire la vierge
FRANCE 
1800年代中期


直径 18㎝
厚み 5㎝

SOLD



浮き彫り彫刻によるマリア様の額装オブジェ。

パイプのヘッドにも使われる、海泡石と呼ばれる素材に彫刻されたこちらのマリア様は、閉じた瞳と軽く閉じられた唇が今にも動き出しそうなリアルな表情をしております。


我が子キリストを慈愛に満ちた心で見つめているかのようです。


ベールのひだやうねる髪の毛の細部まで丁寧に作られており、サインはございませんが、卓越した技術者の手によるものに間違いございません。


また、枠が2重に作られており、ドーム状のガラスとの効果もあり、より立体的に見える仕掛けになっております。


マリア様のベール部トップ及び、額に経年による色の変色が見られますが、雰囲気を損ねる事はなく、良好な状態です。
また、フレーム部に亀裂がございますが、古い時代に修復されておりますので、拡がるおそれはございません。
ガラスに擦り傷がございますが、雰囲気を損ねる程ではございません。




Via Dolorosa de christ
FRANCE 
1800年代中期〜後期


フレーム 直径 20×25㎝ 
     厚み 4㎝
本体   直径 13.5×17.5㎝
     厚み 3㎝


SOLD



浮き彫り彫刻によるキリストの額装オブジェ。


ボリューム感のある立体的なキリスト様の手には、復活の象徴である聖なる心臓"Sacré-Cœur"(サクレクール)が納められております。


背景の両側には蒲の穂があしらわれ、ゴルゴダの丘に向かうイエス・キリストをローマの兵士が蒲の穂で打ち付けたという聖書の記述からの引用による、キリストの受難を表し、その丘へと続く、キリストが歩んだ道を“Via Dolorosa”(ヴィア ドロローサ=苦難の道)と称しております。


磔刑像や苦痛に歪む苦難の表情を表したモチーフが多い中、穏やかな表情のキリストは、見ていて心が落ち着くようです。


本体下部にははっきりと読み取れませんが、作者の署名が左右に記されており、卓越した技術者の手によるものである事が、作品のクオリティからも伺えます。


うねる毛髪、流れる様な柔らかな質感を表現した衣壁、心臓を抱く手の質感、そして、気高く崇高なる面持ちで天を仰ぎ見るキリストの表情は、息をのむ程の美しさ。


彫刻本体に、経年による変色が所々に見られますが、欠けや大きな損傷は無く、大変よい保存状態と言えます。


ナポレオンⅢ世様式のオーバルのフレームは、経年の変化による亀裂を、古い時代に特殊な形の金具で補修しておりますが、その後に更に亀裂が広がっております。
しかし、これ以上悪化するおそれはなさそうですので、このままの状態でのお渡しとなります。


クリーニングと撮影のため、フレームより本体を取り外しましたが、オリジナルの釘で固定してお渡しとなります。


ボリューム感、出来映えとともに稀に見る、素晴らしい芸術作品でございます。



Madone du Rosaire 
FRANCE 
1800年代中期〜後期

全体 直径15.5×22.5㎝ 
   厚み4~5㎝
彫像 4㎝×13㎝ 
   厚み3㎝

SOLD

バラ花の冠を抱くマリア様の額装オブジェ。

オーバルの漆黒のフレームと凸面のグラスの組み合わせはナポレオンⅢ世時代特有のスタイル。
メシャム(海泡石)に繊細な彫刻で作られたマリア様の立像が大変素晴らしい逸品です。

カトリックの祈りの儀式の際に用いるロザリオ(Rosaire)は、バラの花の冠を意味し、祈りの言葉を唱える行為がバラの花を冠状に編む姿に似ている事からの由来。

古代ローマに於いては、勝者に授ける月桂樹の冠と同じく、尊い者へバラの冠を授けられ、マリア様への敬意の表明としてそれと等しく、薔薇の冠を授けていました。

胸の前でクロスされた腕は、神様からの祝福を受ける事を意味し、瞳を閉じて祈りを捧げている様子を表しています。

神様のいる天上の世界に対する地上を意味するグローブス・クルーキゲル(世界球)に乗るマリア様の足元には、楽園でイヴを誘惑した悪の象徴であるヘビを踏みつけているポーズにより、マリア様の純血(無原罪)を表現し、150年の時を経てなお、楕円のフレーム内の宇宙より祈りを捧げています。

付属の丸管により、壁面にデコレーション出来ます。

向かって右側の衣壁の中心あたりに欠けた様な跡がございますが、殆ど目立たない状態です。
フレームの本体に経年による細かな傷や色剥げがございますが、虫喰いや亀裂はございません。
裏蓋に元々貼られていた紙をはがした跡がございます。




CENE 
FRANCE 
1700年代初期


フレーム
幅 13.3×17㎝
厚み1.5㎝


本体
9.5×12.5㎝


SOLD



フランドル(現在のベルギー/フランス/オランダ周辺の地域)地方の画家、Cornelius Boudt作の最後の晩餐の版画。


CENE=最後の晩餐。


Cornelius Boudt(1680〜1735)は版画家としてキリスト教に関する作品を数多く作成し、作品の一部はオランダのMuseum Catharijneconventへ収蔵されております。


本体はパーチメントと呼ばれる羊の革を使い、版画で印刷した上から手描きで色がのせられています。


縦長の構成状、よく知られるダヴィンチが描いた長テーブルではなく、円形のテーブルの中央にキリスト、左右に6人ずつ使徒を配しています。


キリストより裏切り者がいる事を告げられ動揺する使徒達のそれぞれの表情や動きなど、緊張感が伝わって来るかのようです。


芸術の伝統により、罪人は伸ばした左手の動作によって描かれ、左の最前列の人物がイスカリオテのユダである事が分かります。
伸ばした手はテーブルのパンに手をかけ、右手は金貨の入った袋を隠す仕草をしているようです。


天幕や着衣、床の赤は血をあらわし、キリストの受難を示しています。


※フレームは近代のものとなり、購入時のオリジナルとなります。
本体は以前の所有者が額装した際にズレないように台紙に貼付けております。
黒い厚紙のフレームを当方で新調いたしました。




Eglise de lustre 
FRANCE 
1800年代後期

幅 9×14㎝

SOLD

教会で使われていたシャンデリアのパーツ。

2人の天使と鳩がレリーフ状に作られています。

平和の象徴でもある鳩は、キリストが洗礼を受けた際に鳩のように光が降ってきたという聖書の記述により、精霊の象徴としても取り扱われております。

やや大降りで存在感がございますので、窓辺に飾っていただくとより一層雰囲気が増します。

縁部に微細なチップがございますが、総じて良い状態です。




Immaculée Conception 
FRANCE 
1855年


フレーム 
幅  20.5×28㎝
厚み 4.5㎝


本体(彫刻)
幅  10×15.5㎝


SOLD





ナポレオンⅢ世スタイルのオーバルフレームに納められた、Immaculée Conception=無原罪の御宿り(むげんざいのおんやどり)を表す聖母マリアの彫像。


Immaculée Conceptionとは、聖母マリアが、神の恵みの特別なはからいによって、原罪の汚れととがを存在のはじめから一切受けていなかったとする、カトリック教会における教義として1854年に正式に信仰箇条として宣言決定されたもの。


マリアの足元の球には、8 DECEMBRE 1854 の信仰箇条が宣言された日付と、S.MARCHI 1855の作家名と制作年が記されています。
また、作家名は手描きでも左側の天使の足元の雲の裏側にも記されています。


マリア様の穏やかな表情や流れる様な優美な衣壁、マリア様を支える(マリア様は生身の人間なので、自分自身では天に昇れないため、天使や雲に乗って描かれる)天使の生き生きとした姿、盛り上がる雲などのディテールは見事。


稀に見る傑作と言え、素晴らしいディテールと美しさの逸品です。


マリア様の右手の親指が欠損しておりますが、目立たない程度になります。


額の上下2カ所に経年による亀裂は入っておりますが、飾っていただくには問題のないレベルに納まっています。